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「週末海外」で台湾へ。短い滞在ながら濃い毎日であった。
これまで幾度となく海外を経験して来た私だが、どの国でも最低1回は嫌な目にあってきた。あるときは財布を盗まれたり、あるときは注文した料理が出てこず、そのまま代金を払って出るしかなかったり、町で冷たくあしらわれたり。数えれば切りがない。
だから、自分にとって海外旅行とはこういうものだ、こういう経験もある意味海外旅行の経験だ、と思ってこれまでやってきた。そして、海外旅行の経験が浅い人にとっては、こういう「辛い」経験がトラウマになって、その後海外に足を運ぶことを辞めてしまう可能性もあるだろう。
今回の台湾は、これまでの私の経験に反し、何一つ「辛い」ことがなかった。これが台湾の「親日」なのか、と驚いた。とにかく人が優しい。そして、現地の人は相当日本人慣れしているようで、日本語がどこでも通じてしまう。
中国国内の複数の都市や香港、マカオなどと比べると、台湾が全くそれらとは異なることに気づく。
まず、声が小さい。中国人の声の大きさは日本でも最近耳にするようになったが、台北では大きな声で話す人を殆ど見かけることはなかった。
次に、交通マナーが良い。もちろん日本ほど良いわけではないが、中国や香港でよく耳にした大きなクラクションはここでは聞くことができない。聞こえるのはバイクの音ーバイクに関して言えば、中国本土はバッテリー式のバイクが多いため、音は静かー台湾では日本と同じようにガソリンを動力とする原付自転車が交通手段として重要な役割を果たしているため、バイクの音は確かに煩い。ただ、クラクションの音は聞こえない。
そして、タクシーの運転手が冷静であること。北京などでタクシーに乗ると、運転手の舌打ちは当たり前、渋滞でイライラすると窓をたたいたり、客である私にも中国語で文句を言う始末。だが、台北はそうではないようだ。今回、幾度となくタクシーを使ったが、黙ったまま運転を続けるか、英語や日本語であれこれと聞いてくる運転手にしか巡り会わなかった。
ただ、朝市や夜市などを見ると、ここはやはりエネルギッシュなアジアの都市であった。
こうして考えてみると、台北はアジアの混沌とした都市というにはやや物足りない。中国本土が「動」であるとすれば、台北は少し大人になった「冷静」という表現が相応しいのか。あるいは肯定的に表現すれば、台北の持つ余裕さと中国本土の持つ焦り、という感じだろうか。
いずれにせよ、台北は台北で中国本土とは異なる魅力を持つ都市であることは間違いない。
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