山梨・ワインツーリズムに参加する。
ワインツーリズムは、昨年度から山梨県内の民間事業者によって始められたイベントで、山梨県内のワイン産業やそれに関連する風景や文化などの理解促進を目的とし、主に観光客を対象にしたものである。
事前にインターネット予約をし、登録参加費として¥2500を支払っている。
今年は6日に甲府市内、7日に甲州市内で様々なイベントが展開されるという。
午後から本日のメインである、甲府市内のワインツーリズム会場へ足を運ぶ。
甲府市内の3つのワイナリーで、それぞれガイド付きのワイナリー見学会を開催している。
甲府駅近くのワイナリーで見学会に参加したが、ガイドの話術は見事なものであり、参加者を魅き付ける力を持っていた。
町の魅力を観光客に伝えるインタープリターには、知識だけでなくガイドする人の人間性やガイドとしての素質が重要であることを再認識する。
さて、ワインツーリズムというイベントだが、観光向けのイベントとして継続していくのなら、いくつか気になる点が散見されたので、ここに記そう。
・登録参加費¥2500の価値はどこにあるのか。
ワイナリーでのガイドツアーは別料金(¥300〜¥1000程度か)である。つまり、登録参加費はワイナリーでの様々なサービスを享受できるためのパスではないようである。また、ガイドツアーへの参加は、登録を行っていない場合でも可能である。
【追記(2010.11.14)】
ツアー登録は、参加者のみのサービスです。あと、ワイナリーでの催しや試飲等はツーリズム用の特別企画が用意されてます。
"おっくーさん"より、ご指摘頂きました。訂正致します。
パスを持っている人は、ワイナリー間を結ぶ臨時バスに乗り放題となるが、これくらいしか実質的なメリットはないようである。(なお、パスは事前に諸々のワインツーリズム用のガイドブックと共に自宅へ送付されるため、そういった資料を手に入れることができるのは1つのメリットかもしれない。)
・2500円という価格の設定
正直なところ、上記のような(多くはない)特典で2500円を払うのは高すぎると言わざるを得ない。
また、2日用のパスしか用意されておらず、1日パスの用意も検討して頂きたい。
2日用のパスのみの販売で、山梨県内での宿泊客の増加を期待しているのだろうか。
・なぜ、甲府市でワインなのか。
勝沼であれば、ブドウ畑とワイナリー工場、ワインという1つのストーリーを明確に感じられる空間があるので、ワインツーリズムを展開するその背景を観光客は理解しやすい。しかし、甲府は様々な歴史・文化的背景を持つ町であり、そのなかでワインに着目してもワインツーリズムを展開する背景を観光客に伝えることは難しいのではないか。
つまり、今回の甲府市内でのワインツーリズムに参加したところ、その「ワイン」というコンセプトが薄れてしまっているように感じたのだ。
仮に甲府市でワインツーリズムを積極的に進めていくとした場合、ワイン文化をより強くイベントで出していくことが必要となる。今回は、各ワイナリーでその文化発信は完結しており、残念なことである。市内の商店街や飲食店など、ワインを使ったメニューやワインバーの展開など、町全体でワイン文化を盛り上げる体制が望まれるのではないか。さらに、そういった飲食店でも、参加登録パスを見せることで何らかの特典を観光客が享受できるのであれば、ワインツーリズムというイベントによる町への効果も期待できるかもしれない。
その他にも、現地での情報発信の弱さなど目につく点はあった。
とはいえ、この企画自体はまだ2回目であり、行政の財政支援を受けずに民間のみの力でこれだけのイベントを立ち上げたことは非常に重要なことである。
そして、上記で述べた点は、今後のワインツーリズムの発展、ワイン文化の継承を願ってのこと。ワインをただ飲むだけでなく、ワインを使った料理教室やその他様々な体験メニュー等、さらなる充実を来年に期待したいところである。

山梨のうっつぃと申します。
返信削除ワインツーリズムにご参加いただき有難うございます。
もし、よろしければ、当日Ryoさんがどの様な足跡を辿られたか、教えていただけませんか。
そこから今後の改善点を見出せるかもしれませんので。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
こんばんは。うっつぃさん。
返信削除コメントをありがとうございます。
少々忙しい日々が続いておりますので、暫くお待ちください。
なるべく早目にまたご連絡申し上げます。
Ryo
こんばんは。山梨でワイン用ブドウ栽培に取り組んでいる者です。
返信削除Blogで書きましたように、小生は迎える側として参加してましたが、甲府エリアでの開催は今回が初めてなので、まだ手探りの所があるのが正直なところです。(ツーリズムは2008年からで、正確には今回で3回目です。)
それと料金ですが、ワインツーリズム2010のサイト(http://www.yamanashiwine.com/wt2010/index.html)の末尾で、
> 本イベントの収益の一部は山梨のワイン産地の維持・発展のために活用します。
とありますように還元分も含まれています。とは云え、検討の余地はあるかもしれませんね。
いずれにせよ、わかりやすく課題をまとめて下さり有り難いです。
また足を運んで頂ければと思います。
追記です。
返信削除> つまり、登録参加費はワイナリーでの様々なサービスを享受できるための
> パスではないようである。また、ガイドツアーへの参加は、登録を行って
> いない場合でも可能である。
ツアー登録は、参加者のみのサービスです。あと、ワイナリーでの催しや試飲等はツーリズム用の特別企画が用意されてます。(ワイナリーによって差があるかもしれませんが・・・。)
そこはご承知置き下さい。
うっつぃさん
返信削除こんばんは。ご返信が遅れてしまいましたこと、ご了承ください。
甲府市内では、2つのワイナリーを見学後、中心部の蕎麦屋で夕食を頂きました。
中心の商店街のなかには、ワインツーリズムというイベントを知らない店主の方もおり、また時折店の前に「ワインツーリズム」の暖簾を見かけるものの数としては少なかった印象です。
甲府という大都市で、様々な関係者がいるなかこうしたイベントを行うのは難しいとは思いますが、今回の1歩をきっかけに、さらなる発展を期待しております。
また来年を楽しみにしています。
おっくーさん
返信削除こんばんは。
ご返信が遅れてしまいましたこと、ご了承ください。
ご指摘をありがとうございました。早速記事に反映させて頂きました。
パスを身につけて歩いていると、スタッフの皆さんにご挨拶頂いたことはとても印象に残りました。そうした人と人との交流を深められるのも1ついいことかもしれません。
また楽しみにしています。来年は是非勝沼の方に参加したいと思います。