Introduction of Myself

I'm just a small tourist.
地元の人にはなれるわけない。でも地元の人には見えないものもあるんだと。

2012/05/12

Panoramic Kumano

Isozaki, 2012

Maruyama Senmaida, 2012
紀伊半島南部、熊野は秘境だ。東京から行こうとすると、直行便が1時間に1本も出ているような沖縄に行くよりも熊野に行く方がよっぽど遠い。日本で最も降水量が多く、年間4000mmを記録する尾鷲市を配し、更に南には古くは平安時代から神々がいると崇められ、天皇の御幸先だった熊野三山が鎮座する。鉄道は"汽車"である。こう聞けば秘境ぶりが少しは伝わるだろうか。
道路網は唯一と言って良い国道42号線は山を駆け抜ける。少し雨が強く降るものならば通行止めとなり外部とのアクセスを失う。近年になって高速道路の整備が進んだものの完全な整備にはまだまだ年月を要するだろう。酷道と呼ばれる国道も数多く存在する。

熊野は車で行かなければ不便極まりないのだが、車で行くためにはある程度の熟練した運転技術が求められる。運転に不慣れな方には申し訳ないが、ここはそういう場所。都市圏からのアクセスの悪さ、歴史的文脈に依る神秘性などが熊野を現在まで秘境足らしめている要因だと思う。
この地は父の生まれ故郷である。だから自分にとってはずっと昔から馴染みのある地で、日本で最も好きな場所だ。ただ、そういう縁もなかったら、一般の人がここを選んで訪れるのは相当ハードルが高いに違いない。


熊野古道沿いに集落が点々と現れる。険しい山と海岸線の間の狭い範囲に集落は立地する。その一つ一つは全く違う特徴を持ち、それらを見て回るだけでも飽きることはない。今日載せている上の写真は集落の一つ、熊野市磯崎集落である。入り江に組まれた漁港を中心に囲うように家々が立ち並ぶ様子は圧巻である。余談だが、こういった集落に訪れたい場合は、42号線ではなく海沿いを走る311号線を走る必要がある。"海沿い"と聞くと響きが良いが、42号線よりもハイレベルな運転技術が必要なのは言うまでもない。
下の写真は、熊野市から山間部に位置する丸山千枚田。日本離れした景観を持つこの地も熊野のハイライトと言える。いつ行っても人で溢れることはないのでこの景色を独り占めしてゆったりとした気分になれるのだ。

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