今回は、ポートフォリオ的な意識を持ち、しっかりとレイアウトを統一させた。サイズはキャビネ版。本当は四切りや六切りサイズで作りたいけれどもそのためにはかなりの量の液体が必要になるし、バットも大きくなければならない。それにサイズが大きくなればなるほど高度な暗室技術が必要になるので、キャビネ版をしっかり焼けるようになってから次にステップアップしたい。 4月の暗室からのチャレンジは、①多階調紙を使うこと、②バライタ紙を使うこと、の2つ。多階調紙は10種類もあるフィルターを使い分けながらコントラストを調整する必要があり、フィルターと露光時間のバランスは腕の見せ所。コントラストを上げすぎると黒がつぶれ、コントラストが低すぎると曖昧な写真になってしまう。写真の一部だけコントラストを上げたい場合は覆い焼きをしたり...。 そしてもう一つのチャレンジはバライタ紙を使うこと。バライタ紙は紙としての質感を感じることができる、暗室経験者なら必ず憧れるもの。ただ、厄介な点もあり、それは乾燥過程で紙がカールしてしまうと言うこと。しっかりとフラットニングをしなければいけず、貸し暗室などでは専用の機械もある。しかし家にそういった機械まで準備するのは現実的ではなく、他の人はズボンプレッサーや乾燥網を作ったりと色々工夫しているようだ。自分自身もフラットニングが一番心配だった。 今回は次の方法でフラットニングをしてみた。今のところしっかりフラットになっているので順調だ。 ①露光→現像・停止・定着・水洗を行う ②水洗時間はいつもよりも少し長めに取ってみた ③水を十分に含んでいる状態で、写真の面を裏側にしてコタツの台に密着させる ④コタツはやや角度を付けて安定させる(写真の裏面がコタツには貼付けられている状態) ⑤写真の裏面を上から下に手で撫でるようにして水分を拭き取る ⑥そのまま放置する ⑦写真が乾き反り返ってきても裏返して写真面を見ようとしない。反り返りを押さえるように写真の角をコタツの台に密着させる。 ⑧暫くして乾燥し、コタツから滑り落ちるようになったら写真をコタツから剥がす。 ⑨コタツを水平に戻し、写真を1枚ずつ綺麗な紙の間に挟み、その上に重い本を置く。 もちろん最初からコタツの台を使おうなんて考えていた訳ではなく、たまたま部屋の隅で目に入ったので使ってみたのだ。たぶんこの方法でうまく行った理由としては、コタツに写真の裏側を上にして並べたことだと思う。仕上がりを見たいため、写真を上に向けたくなるところだが、乾いている間に埃が付いてしまったらせっかくの写真が台無し。ここは我慢のしどころだ。 バライタ紙で焼いたモノクロは本当に美しい。黒の表現、わずかな階調の部分は最高だ。 |
Introduction of Myself
I'm just a small tourist.
地元の人にはなれるわけない。でも地元の人には見えないものもあるんだと。
2012/07/14
バライタ初挑戦の備忘録
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