Introduction of Myself

I'm just a small tourist.
地元の人にはなれるわけない。でも地元の人には見えないものもあるんだと。

2011/05/10

中国旅行記 タクシー編


Beijing, China 2011

タクシー運転手は優しい。

北京での交通の足に便利なのはタクシー。特に広い範囲に見るべきポイントが分布しているため、効率よく回るためにはある程度タクシーを使うのが良い。また、料金も初乗り3kmが10元(135円程度)と安いのも良い。ただ、タクシーの運転手はほとんど英語が通じないと思った方が良い。今回の旅行でも頻繁にタクシーを使ったが、英語は誰一人として通じなかった。
タクシーは道路上で手を上げて止めて乗り込む。乗り込んですぐに行き先を伝えないと運転手は舌打ちしたりイライラするので、予め地図を用意しておき、乗り込んだらすぐに地図を見せて行き先を伝えるのが良い。ただ、困ったことにタクシー運転手は(というよりは中国人の多くは)地図を読む習慣がない(らしい)。ある程度有名な場所だったり地下鉄の駅であれば地図上の文字を見てすぐに連れて行ってくれるが、それも正確とは限らない。例えば、天壇公園東門(天壇公園はその歴史的価値を知るためには東門から入るのが良いと事前に聞いていた。)に連れて行って欲しい、と地図を見せたにもかかわらずタクシーが着いたのは南門であった。また、王府井の北門に行きたいと地図を見せたにもかかわらず、着いたのは王府井南門だった。おおよその行き先はあっているが、正確に自分の行きたいところに連れて行ってくれるとは期待しないほうが良いだろう。
さて、タクシーの運転が荒いのは中国では当然のこと。これに恐れてはいけない。タクシードライバーの腕は一流である。ただ、彼らは渋滞を嫌う。朝や夕方の北京の道路事情は大変なラッシュで、どの道も混んでいるのだが、その時間にタクシーに乗っていると、きっとタクシードライバーは不機嫌な様子を見せることになるだろう。時には助手席を叩き始めたり、中国語で文句を言い出したり、クラクションを鳴らし続けるかもしれない。さすがにその様子を見ると驚いてしまうし、なぜか「タクシーを使ってしまい申し訳なかったな」とまで思ってしまう。
こんな北京のタクシードライバーだが、タクシーを降りる前に「謝謝」と伝えるとどのドライバーもにっこりと笑ってくれる。聞くところによると、中国ではタクシードライバーにお礼を言うのは稀なことであるため、お礼を言われることはドライバーとして嬉しいことだからだそうだ。
今、原油高の影響でタクシー料金はメーターの表示に2元追加されるのだが、こんなことがあった。
タクシーを降りる頃、メーターには24元と表示されており、その時丁度コインが24元あったため、用意してそれを支払おうとした。すると、タクシードライバーは車内の張り紙を見せ(おそらく中国語で2元の特別税徴収のことが書いてあったのだろう)、中国語で「26元だよ」とゆっくり繰り返して言う。私は中国語の数字表現を思い出し、指を折って数える。その仕草がタクシードライバーには面白かったらしく、私のことをニコニコしながら見ていた。結局コインでは払えず、100元札で支払ったのだが、その時のタクシードライバーの笑顔はとても印象的なものであった。特にそのドライバーはそれまでの運転中、長い間渋滞に巻き込まれてイライラし、助手席を叩いていたから余計にそのギャップに驚いたのも事実であるが。最後に「謝謝」と言って降りたが、なんとも清々しい気持ちだった。

また、帰国のために空港まで乗って行ったタクシーのドライバーは、降りる際、ずっと「バイバイ、バイバイ」と手を振ってくれ、最後まで私のことを見送ってくれていた。

今回の旅で10人弱のタクシードライバーに出会っただろうか。ラジオを流して鼻歌を歌いながら運転する人、目的地と違う所に連れて行ってくれる人、渋滞にイライラし、文句を言いながら連れて行ってくれる人などいろいろな人がいたが、その誰もが最後に「謝謝」というと笑顔を見せてくれた。きっと北京のドライバーはみんな心優しいんだと思う。

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