Introduction of Myself

I'm just a small tourist.
地元の人にはなれるわけない。でも地元の人には見えないものもあるんだと。

2012/03/22

世界遺産は写真に収める価値があるか否か

anchang, China 2012



世界遺産は写真に収める価値があるか否か。
やや乱暴で、挑発的な問いだ。少し前の自分なら当然、と答えていたと思う。世界遺産にも選ばれるべき価値を有するものは写真に撮れば美しい。だからこそ世界遺産を巡る旅も人気だし、インターネットを探せば旅行記も写真もたくさん見つけることができる。現に自分もパリには良く訪れるし、これまでも"世界遺産"であることを旅の目的地の決定に使っていた。
しかし最近、フィルムを使うようになってからだろうか、この問いに対する考えは変わりつつある。いや、もちろん「世界遺産は写真に収める価値があるか」と聞かれたら「Yes」と答えるだろう。しかし、その問いに「今」という語を付けると果たして「Yes」と答えることができるだろうか、ということなのだ。
今撮るべきは何か。今写真に残すべきは何か。フィルムというモノとして写真を残すことを知ってから、そういうことを意識するようになった。
今撮るべきもの。それは今しか存在しないかもしれないもの、今しか撮れないものだ。上に書いた世界遺産というのはあくまでも1つの例だが、世界遺産は未来永劫その遺産を残すために作られた制度。ということは、(少なくとも他の類似した遺産よりも)将来も姿を変えずに残っている可能性が高い。それならば敢えて"今"撮らなくても良いのかもしれない。

写真に記録的価値、記憶的価値、芸術的価値があるとすると、ともすれば芸術的価値を追いがちなところで、記録的価値を今一度見つめ直してみようと思う。

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